MMORPG(その4)
そのゲームは、未成年者はできない規約になっている。が、あまり、細かいことは言わない。
中学生と聞いて、3度目のびっくりである。キャラの名前がビジュアル系ロックバンドのリーダーの名前だったりしたので、うなずける面もある。女子高生と女子中学生は違っていて、女子高生ならなめられないとのこと。大人から見れば女子高生も女子中学生もたいして変わらないが、こういう考えが、中学生らしい。
が、俺は、女子高生や女子中学生でびっくりしたっていうことを言いたいのではない。4度目の衝撃があったのだ。
実は、彼女は心臓病だったのである。確か心房ブロックか心室ブロックでⅡ型かⅢ型らしい(Ⅰ型は積極的治療の必要なし)。しかも、年齢が若くてそのような病気になるのは珍しいらしい。チャットで、リアルでは友達が少ないだとか、就職や結婚ができないとか、暗いことを言っていたので、その理由を聞いたらそういうことだった。実際にゆっくりとしか歩けず、階段が普通に上がれないらしい。
MMORPGはお兄さんの紹介で、ゲーム内なら元気で走り回れるじゃないかということで、はじめたらしい。事実、元気で走り回っていたし。
活動的で明るくて積極的だったのでリアルでもそのとおりの人物だと、思っていたが、そういうことがあって、逆にゲーム内ではそういう風に振舞っていたのかと思うと、パソコンの画面が曇って見えなくなった。
ペースメーカーを埋め込んでいるって言っていた。ペースメーカーってどこにつけるか知っているか?鎖骨の下あたりにつけるらしい。電池の交換だとかで何ヶ月か1回手術を受けるらしい。また、何回か心臓がとまったことがあって、そのときは、なんだかす~っと気を失うような感じで、目覚めたら生きていたという感じで、自分の心臓病で死ぬときも多分そんな感じで目覚めないだけで、そんなに苦しまないのかなぁ~?なんて言っていた。中学生が悟ったように平気で死について語るのである。
その話を聞いていたとき、涙がとまらなかった。俺が中学生のときは、そんなことは考えたこともなかった。
それから、まもなく彼女は、調子が悪くなってMMORPGをやめてしまった。やっぱり、ダンジョンとかで狩りをするのもキャラの生死がかかっているので心臓に負担がかかっていたらしい。元気でいればもう二十歳は超えていると思う。俺のことを覚えていてくれてればうれしいが。


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